テレアポを録音して振り返る、トーク改善のやり方
テレアポや営業電話のトークを良くするいちばんの近道は、自分の通話を録音して、実際の発言を聞き直すことです。記憶の中の「うまく話せたつもり」と、録音に残っている言葉は、思っている以上に違います。
この記事では、録音の始め方、聞くときに見るポイント、チームでの振り返りの回し方、そしてAI採点をどこで使うと効くのかを、インサイドセールスの現場で続けられる形で整理します。
テレアポを録音して振り返ると、何が変わるのか
営業電話は、短い時間で決着することがほとんどです。相手は忙しく、最初の数十秒で「聞く価値がある」と思ってもらえなければ、そこで会話は終わります。勝負の分かれ目が、ほんの一言、ほんの数秒にあるということです。
ところが、その一言は記憶に残りません。電話を切った直後に「どうだった?」と聞かれても、多くの人は「感じは悪くなかった」「タイミングが合わなかった」といった印象でしか答えられません。印象からは、次に何を変えればよいかが出てこないのです。
録音があれば、話は具体的になります。
- 名乗ったあと、用件に入るまでに何秒かかったか
- 「間に合ってます」と言われた直後に、何と返したか
- 最後に、次の約束を自分から提案できたか
こうした点を実際の言葉で確認できるので、直す場所が「一言」の単位で決まります。教える側にとっても、「もっと自信を持って」ではなく「この一言をこう言い換えよう」と伝えられるため、指導が感覚の話になりにくくなります。
録音の始め方と、始める前に決めておくこと
録音の方法を選ぶ
営業電話を録音する方法は、おおまかに次の3つです。
- 電話システムやアプリの録音機能を使う:発信と同時に自動で録音されるタイプ。録り忘れがなく、チームで運用しやすい方法です。
- 通話録音に対応した営業電話アプリを使う:スマホから発信して、そのまま録音・保存まで行うもの。外出の多い営業担当でも使えます。
- 手元の録音機器で録る:ICレコーダーなどで録音し、あとからファイルで共有する方法。手軽に試せますが、録り忘れやファイル管理の手間が出やすくなります。
試しに数本聞いてみるだけなら、どの方法でもかまいません。ただ、チームで毎週振り返るなら、録音が自動で残り、担当者が操作を意識しなくて済む方法を選ぶと続きます。振り返りが止まる理由の多くは、「録り忘れた」「ファイルが見つからない」といった手前の手間だからです。
始める前に社内で決めておくこと
録音を始める前に、次の点を社内で決めて、メンバーに共有しておきましょう。
- 録音の目的:トークの改善と育成のため、と明確にしておく。監視のためだと受け取られると、メンバーが萎縮して自然な通話ができなくなります。
- 誰が聞けるか:本人と上長だけか、チーム全体で共有するか。
- 保存期間と保管場所:いつまで残し、どこに保管するか。
- お客様への案内の扱い:録音することを伝えるか、どう伝えるか。
録音した音声には、お客様の名前や会社名などの情報が含まれます。利用目的や取り扱いは、自社のプライバシーポリシー(個人情報の取り扱い)に沿って運用してください。
※ 本記事は一般的な情報です。録音の取り扱いについて法的な判断が必要な場合は、弁護士などの専門家にご相談ください。
録音を聞くときに見る5つのポイント
録音をただ聞き流しても、なかなか改善点は見つかりません。営業電話の流れに沿って、次の5つを順に確認すると、聞くべき場所がはっきりします。
1. つかみ:最初の数十秒で用件まで届いているか
名乗り、なぜ今この相手に電話したのか、少し時間をもらえるかの確認、そして用件と相手にとっての価値。ここまでを短く言い切れているかを聞きます。前置きや自社紹介が長く、用件に入る前に断られているケースはよくあります。
2. 目的の明確さと簡潔さ:何をお願いしたい電話か伝わっているか
テレアポのゴールは、その場での成約ではなく、次の約束(アポイント)であることがほとんどです。説明を詰め込みすぎて、「結局何の電話だったのか」が相手に残っていないことがないかを確認します。一文が長くなっていないか、同じ説明を繰り返していないかもあわせて聞きましょう。
3. 切り返し:断られた直後に何と言ったか
「間に合ってます」「今忙しいので」と言われた直後の一言は、録音で必ず聞き直したい場面です。相手の言葉をいったん受け止めてから、負担の小さい提案に切り替えられているか。反論で押し返していないか。たとえば次のような返し方です。
「そうですよね。だからこそ、比べていただく材料として15分だけお時間をいただけませんか」
4. クローズ:次の約束を自分から提案できたか
会話が良い雰囲気でも、「では資料をお送りします」で終わると次につながりにくくなります。「火曜と水曜の午後でしたら、どちらがご都合よろしいですか」のように、日時を選んでもらう形で次の行動を確定させに行けたかを確認します。
5. 相手への配慮と声:速さ・間・言葉づかい
話す速さ、相手が話し終える前にかぶせていないか、語尾の言い切り方。内容が同じでも、声の印象で受け取られ方は変わります。また、「絶対に」「今日だけ」のように、あとで問題になりかねない言い回しが癖になっていないかも、この段階で気づいておきたいところです。
チームでの振り返りの回し方
録音の振り返りは、一度に大量にやるより、小さく毎週続けるほうが効果があります。次のような進め方が、無理なく続けやすい形です。
| 準備 | 各自が自分の通話から1本を選ぶ(アポが取れた通話と、取れなかった通話を交互に)。聞いてほしい場面の時間をメモしておく。 |
|---|---|
| 聞く | 全員で、選んだ場面を中心に聞く。1本あたり10分程度を目安に区切る。 |
| 良かった点 | まず「良かった一言」を具体的な発言で挙げる。 |
| 惜しかった点 | 「ここでこう言えば、もう一歩進めた」という一言を、言い換えの案と一緒に出す。 |
| 次の一手 | 本人が、次の1週間で試す言い回しを1つだけ決める。翌週、その一言を試した通話を持ってくる。 |
「良かった一言」から始める
録音を聞かれる側は、どうしても身構えます。最初に良かった発言を挙げることで、振り返りが「ダメ出しの場」ではなく「うまくいった言葉を集める場」になります。良かった一言は、そのままチームの共有財産にもなります。
発言を指して話す
「もう少し丁寧に」「押しが弱い」といった抽象的なコメントは、言われた側が何を変えればよいか分かりません。「この場面のこの一言を、こう言い換えてみよう」と、実際の発言を指して話すのが、録音で振り返るいちばんの利点です。
直すのは1回に1つだけ
一度に5つも6つも直そうとすると、次の電話がぎこちなくなります。1週間で試すのは1つに絞り、それができるようになったら次へ進みます。地味ですが、トークが確実に変わっていくのはこのやり方です。
断られた通話こそ題材にする
アポが取れた通話ばかりを聞くと、振り返りが成功例の確認で終わってしまいます。断られた通話には、つかみ・切り返し・引き際のどこで流れが変わったのかが残っています。断られても切り返しや引き際が良かった通話は、きちんと評価しましょう。
AI採点の使いどころと、人が担うところ
録音での振り返りを続けていくと、壁になるのは「時間」です。チーム全員の通話を人が全部聞くのは現実的ではありません。そこで役に立つのが、録音を文字に起こして採点するAIです。
AIに任せると効くこと
- 全件を同じ基準で見る:人によって評価がぶれず、誰の通話も同じものさしで並べられます。
- 聞くべき通話を絞り込む:点数や項目ごとの評価を見て、「切り返しで止まっている通話」「クローズまで行けていない通話」などをチームで聞く候補に選べます。
- 根拠の発言を拾う:評価の理由になった発言が添えられていれば、聞き直す場所をすぐに見つけられます。
- 本人がすぐ振り返れる:通話のたびに結果が返れば、ミーティングを待たずに自分で気づけます。
人が担うこと
- 自社の商材やお客様に合った言い回しを決める:どの言い方がしっくりくるかは、現場を知っている人の判断です。
- 点数を目的にしない:点数は振り返りの入り口として使い、評価や処遇の道具にしすぎないこと。メンバーが点数を気にして話し方が不自然になっては本末転倒です。
- 最終的な判断をする:言い回しの指摘などは参考情報として受け止め、気になる点は社内で確認する運用にしましょう。
つまり、AIで全体を見渡して聞く通話を選び、人がその通話を深く聞いて次の一言を決める。この分担にすると、振り返りにかかる時間を抑えながら、全員のトークを継続的に見ることができます。
よくある質問
- テレアポの録音は、週に何本くらい聞けばよいですか?
- チームで聞くのは、週に1人1〜2本で十分です。本数を増やすより、1本を最後まで聞いて「次に変える一言」を決めるほうがトークは変わります。全件に目を通したい場合は、AIの採点で全体を同じ基準で見て、人は選んだ数本を深く聞く分担にすると続けやすくなります。
- アポが取れなかった通話も振り返る意味はありますか?
- あります。むしろ改善のヒントが多いのは、断られた通話です。どの一言のあとに相手の反応が変わったのか、断られたあとに切り返しや次の約束を試せたのかを聞くと、次の電話でそのまま試せる言い回しが見つかります。
- 録音することをお客様に伝える必要はありますか?
- 伝えるかどうか、どう伝えるかは、録音の利用目的とあわせて自社のプライバシーポリシー(個人情報の取り扱い)や社内ルールに沿って決めてください。この記事は一般的な情報であり、法的な判断が必要な場合は弁護士などの専門家にご相談ください。
- AIの採点だけで振り返りは足りますか?
- AIの採点は、全件を同じ基準で見ることと、聞くべき通話を絞り込むことに向いています。一方で、その会社の商材やお客様に合った言い回しを決めるのは人の仕事です。点数で通話を選び、チームで実際の発言を聞いて次の一言を決める、という組み合わせがおすすめです。
PRODUCT
録音から振り返りまでをアプリで行うなら「商談カルテ」
商談カルテは、対面の商談とテレアポ・営業電話の会話をAIが採点する、営業チームのための育成アプリです。電話取込オプションを使うと、この記事で紹介した「録音して、聞いて、次の一言を決める」流れを、アプリの中でまとめて行えます。
- 発信ボタンからかけるだけで自動録音。通話を切ったあとには採点カルテが届きます(採点の対象は20秒以上の通話)。
- つかみ・簡潔さとテンポ・目的の明確さ・切り返し・クローズ・相手への配慮・声の営業電話専用の7つの軸で採点。アポが取れなかった通話でも、切り返しや引き際が良ければ評価します。
- 点数だけでなく、「特に良かった一言」と「もう一伸ばしの一言」が実際の発言つきで残るので、チームの振り返りの題材にそのまま使えます。
- 架電リストを内蔵。前回の結果や得点を見ながら発信し、結果はワンタップで記録できます。
- 録音の案内音声は流れず、通常の電話と同じように会話が始まります。録音データは暗号化して保存し、契約企業のアカウント内でのみ利用されます。録音の利用目的は、各社のプライバシーポリシーに沿ってご運用ください。
- 採点カルテは標準で本人のアプリに届き、オプションで管理者のみに届ける設定も選べます。
基本プラン 月5,980円/ID(5IDから)+ 電話取込オプション 3,980円/ID・月(通話50分/ID・月込み)。初期費用は電話取込ありで150,000円。表示価格はすべて税抜です。詳しい条件は製品ページをご覧ください。