サロンの売上を上げるなら、予約の入口からLINE予約で常連さんの来店が増える理由

夜の11時、お風呂上がりに鏡を見て「そろそろ根元が気になるな」と思う。いつものサロンに予約しようとして、電話はもう閉まっている時間だと気づく。明日の昼休みに電話しよう、と思ったまま一週間が過ぎて、気づけば前回から3か月。
サロンのオーナーさんから見ると、このお客様は「来なくなった」わけではありません。ただ、来るのが1か月遅れた。その1か月ぶんの売上は、あとから取り戻せません。
サロンの売上を上げる方法というと、新しいメニューや単価の見直し、集客の広告が先に浮かびます。どれも大事ですが、いちばん手を付けやすいのは、いま通ってくれている常連さんが「行こう」と思ったその場で予約を入れられるようにすることです。調査の数字を見ると、お客様が通うサロンを決める理由の上のほうに、予約のしやすさが入っています。
売上は「客数×単価×来店回数」
サロンの売上は、だいたい「お客様の数×1回の単価×1年に来る回数」で決まります。
リクルートのホットペッパービューティーアカデミーが2025年に全国の15〜49歳の女性1万9,200人に聞いた調査では、美容室の1回あたりの利用金額は平均8,175円、年間の利用回数は平均3.56回、1年間に美容室で使う金額は平均30,570円でした。
この三つのうち、客数を増やすには集客の費用がかかり、単価を上げるにはメニューや技術の準備がいります。来店回数は、少し事情が違います。お客様の側に「そろそろ行きたい」という気持ちはもうあるので、あとは予約までの手間を減らせば、来店が早まる余地があります。
通い続ける理由の1位は「ネット予約できる」
同じ調査で、いま使っているサロンを続けて使っている理由を聞いています(美容室・ネイル・エステ・リラクゼーション・まつげのいずれかを使っている女性、複数回答)。
| 続けて使っている理由 | 選んだ人の割合 |
|---|---|
| ネット予約できる | 38.6% |
| 自宅から近い | 26.5% |
| 料金がリーズナブル | 26.4% |
| 料金が明確 | 20.7% |
| 予約が取りやすい | 19.5% |
| スタッフの技術が高い | 19.4% |
いちばん多かったのは「ネット予約できる」で、「スタッフの技術が高い」のおよそ2倍でした。技術がどうでもいいという話ではありません。技術はどのサロンも磨いているので、お客様にとっては「当たり前」になっていて、そのうえで差がつくのが予約のしやすさ、と読むのが自然です。
初めてサロンを選ぶときに重視したことでも、「ネット予約できる」は31.3%で、「料金がリーズナブル」(33.3%)に次いで2番目でした。
2割以上のお客様は、来店する前に「また来る」を決めている
もう一つ、ホットペッパービューティーアカデミーの「美容サロン顧客満足調査2023」に、目を引く結果があります。美容室を「また利用したい」と最も強く思った場面を聞くと、来店する前の場面(サロンを調べる、口コミを見る、予約する、予約を確認する、サロンに行く)を選んだ人が、女性で24.0%、男性で32.3%いました。
来店する前の場面で「また利用したい」と思った中身の1位は、男女とも「ネット予約できる」です。2021年の前回調査より、「ネット予約できる」と「予約が取りやすい」の割合はどちらも上がっています。調査した研究員も、来店前の「予約」の対応が、他店との差になりそうだとコメントしています。
施術の前に、お客様の気持ちはもう半分決まっている。そう考えると、予約の入口は受付の延長というより、接客の一部です。
「あとで電話しよう」が、1回ぶんの来店の差になる
予約の方法そのものも、もうネットが中心です。先ほどの2025年の調査で、この1年に美容室を予約した方法を聞くと、ネット予約が64.2%、電話が21.4%でした(複数回答)。
電話でしか予約できないお店だと、お客様が予約を思い立つ時間と、お店が電話に出られる時間がずれます。思い立つのは、夜、移動中、仕事の休憩中。お店は施術中で、電話に出られないことも多い。ずれたぶんだけ、冒頭のお客様のように「あとで」が積み重なります。
たとえば、常連さん100人のうち10人が、予約の手間で1年に1回ぶん来店を見送っていたとします。調査の平均単価8,175円で計算すると、それだけで年に約8万円です。大きな額ではないように見えますが、新しいお客様を10人連れてくるのにかかる広告費と比べると、ずっと安く取り戻せる売上です(ここでの人数は計算のための例です)。
なぜ、お店の LINE なのか
ネット予約の入口は、ポータルサイトやお店のホームページ、専用アプリなどいろいろあります。新しいお客様に見つけてもらうには、ポータルサイトの力は大きい。一方で、2回目からのお客様にとって一番近いのは、毎日開いている LINE です。
LINEヤフーの発表では、LINE の国内の月間利用者数は2025年12月時点で1億人を超えました。総務省の調査では、女性の LINE の利用率は94.1%です。常連さんのほとんどは、毎日 LINE を開いています。
お店の LINE で予約できると、お客様はアプリを探したり、ログインしたりせずに、いつものトークから空いている日時を選ぶだけで済みます。夜の11時に思い立っても、その場で予約が終わります。
LINE で予約を受けるなら、売上につながる使い方
LINE で予約を受けられるようにしたら、次の使い方で、来店回数に効いてきます。
- お会計のときに、次回の目安を伝えて「LINE からいつでも予約できます」と一言添える
- 予約が決まったら同じトークに確定のメッセージを送り、前日にも一度お知らせする
- キャンセルが出た枠は、すぐにネットの空き枠に戻して、別のお客様が取れるようにする
一つめは、次回予約をその場で決めきれないお客様向けです。「また連絡します」で帰ったお客様が、思い立ったときに迷わず予約できる場所を知っているかどうかで、次の来店の時期が変わります。
二つめと三つめは、空いてしまう枠を減らす話です。前日のお知らせと、キャンセルを言い出しやすくする工夫はサロンの無断キャンセル対策に、予約の入口をどう整えるかはサロンの予約は電話からネットへに書いています。
ここで気をつけたいのは、LINE で受けた予約を、予約表に手で書き写す運用にしないことです。忙しい日ほど書き写しが遅れ、そのあいだにポータルから同じ枠に予約が入ると、ダブルブッキングになります。LINE の予約がそのまま予約表に入る形にしておけば、スタッフは施術に集中でき、空き枠もずれません。
読んで気になったことは、AICA にそのまま聞けます
お名前も連絡先も入力はいりません。声でも文字でも話せます。導入の相談になりそうなら、AICA が担当者につなぎます。
よくある質問
- 次回予約をお会計で取っていれば、LINE予約はいりませんか
- その場で次回予約を決めるお客様には、それがいちばん確実です。ただ、予定が読めずに「また連絡します」と帰るお客様も多く、変更したくなることもあります。決めきれなかったお客様と、日時を変えたいお客様の受け皿として、LINE の予約があると取りこぼしが減ります。
- ポータルサイトの予約と、LINE の予約は両方使えますか
- 使えます。新しいお客様はポータルサイトから、2回目からはお店の LINE から、という分け方がやりやすいです。両方を使うときは、空き枠を一つの予約表で管理して、同じ枠に二重に予約が入らないようにしておきます。
- LINE で予約を受けると、電話はなくせますか
- なくす必要はありません。電話のほうが安心というお客様もいますし、込み入った相談は電話のほうが早いこともあります。電話は残したまま、電話がつながらない時間帯の予約を LINE で受ける、という考え方で十分です。
- (株)リクルート ホットペッパービューティーアカデミー「15~49歳女性の美容サロン利用実態調査2025【都道府県別・美容室編】」(2025年8月21日公表。調査は2025年2月28日〜3月4日、全国の15〜49歳女性1万9,200人。美容室の1回あたり利用金額 8,175円、年間利用回数 3.56回、過去1年の利用総額 30,570円。予約方法 ネット予約・計 64.2%、電話 21.4%。現在のサロンの継続理由「ネット予約できる」38.6%。初回来店時に重視した点「ネット予約できる」31.3%、「料金がリーズナブル」33.3%)
- (株)リクルート ホットペッパービューティーアカデミー「美容サロン顧客満足調査2023(美容室編)」(2023年9月7日公表。過去1年以内の美容室利用者 20〜59歳男女 のべ2,600人。「また利用したい」と最も強く思った場面が来店前 女性24.0%・男性32.3%。来店前の具体的内容の1位は男女とも「ネット予約できる」)
- LINEヤフー株式会社「LINE、国内月間利用者数が1億ユーザーを突破」(2026年1月29日。2025年12月時点)
- 総務省 情報通信政策研究所「令和7年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」(女性の LINE 利用率 94.1%)

