商談の振り返りのやり方その日のうちに10分、見るのは「一言」だけ

商談の振り返りは、その日のうちに10分で済ませるのが続けるこつです。全部を反省しようとすると、1時間かかって、3回目くらいでやらなくなります。
見るのは、商談の流れが変わった「一言」だけ。お客様の反応が良くなった一言か、急に空気が冷えた一言を一つ見つけて、次の商談でどう言い直すかを一文で決めます。そこまで決めて、振り返りは終わりです。
その日のうちに、10分で
商談の中身は、思っているより早く忘れます。次の日には「なんとなく良かった」「なんとなく微妙だった」しか残っていません。振り返るなら、移動中か、帰社してすぐです。
10分の使い方は、だいたいこうです。
- 商談の流れを思い出して、場面を三つくらいに分ける(あいさつと雑談、ヒアリング、提案と次の約束、のように)
- その中で、お客様の反応が変わったところを一つ探す
- そのとき自分が言った言葉を、できるだけそのまま書く
- 次の商談で言い直すなら、何と言うかを一文で書く
いちばん大事なのは3です。「もっとうまく説明すればよかった」では、次の商談で何も変わりません。「料金の話を先にしてしまった。次はお客様の困りごとを聞き終えてから」のように、言った言葉と、次に言う言葉を並べます。
振り返りシートは、四つの欄で足りる
振り返りシートを作るなら、欄は少ないほうが続きます。
| 欄 | 書くこと | 例 |
|---|---|---|
| 商談の目的 | 今日の商談で決めたかったこと | 次回のデモの日程を決める |
| 結果 | 決まったこと、決まらなかったこと | 日程は決まらず「社内で相談します」 |
| 流れが変わった一言 | 自分の言葉と、お客様の反応 | 「他社さんより安いです」と言ったら、急に質問が減った |
| 次に言い直す一文 | 同じ場面で次に言うこと | 「今のやり方で、いちばん手間がかかっているのはどこですか」と先に聞く |
商談の目的の欄は、商談の前に書いておきます。目的が決まっていない商談は、振り返っても「良かったのか悪かったのか」が決められません。
録音があるなら、聞くのは2か所
商談を録音しているなら、全部を聞き返す必要はありません。1時間の商談を1時間かけて聞くのは、続きません。
聞くのは2か所です。お客様の声の調子が変わったところと、商談の最後の5分。最後の5分には、次の約束がどう決まったか(または決まらなかったか)が入っています。「では検討します」で終わった商談は、その直前に何を言ったかを聞くと、たいてい理由がわかります。
自分の声を聞くのは、正直、最初はかなりつらいです。思っていたより早口だったり、お客様の話の途中で口を挟んでいたり。でも、そこに気づけるのが録音のいちばんの良さです。最近は、AIが録音を聞いて、良かった一言と惜しかった一言を拾ってくれる道具もあります。自分で聞き返す時間がない日は、そういうものに一次の確認を任せる手もあります。
読んで気になったことは、AICA にそのまま聞けます
お名前も連絡先も入力はいりません。声でも文字でも話せます。導入の相談になりそうなら、AICA が担当者につなぎます。
上司と一緒に振り返るとき
上司やリーダーと一緒に振り返るときは、本人が先に話します。上司が先に「あそこはこうすべきだった」と言うと、本人はそれ以上考えなくなります。
進め方は、本人がシートの「流れが変わった一言」を読み、上司は「そのとき、お客様はどんな顔をしてた?」のように場面を思い出す質問だけをする。最後に「次に言い直す一文」を本人が決めます。上司が言い直しの一文を考えてあげるのは、本人がどうしても思いつかないときだけです。
週に一度、15分でも、この時間を決めておくと続きます。毎回の商談を全部見る必要はなく、本人が「これを一緒に見てほしい」と選んだ1件で十分です。
受注できた商談も振り返る
振り返りというと、うまくいかなかった商談ばかりを見がちです。でも、受注できた商談にも、流れが変わった一言があります。
「なんで今日は決まったんだろう」がわからないままだと、次も同じように決められるとは限りません。決まった商談で効いた一言を書き残しておくと、それがそのまま自分の型になります。チームで共有すれば、新人がまねできる言葉になります。
ヒアリングの質問の順番や、ロープレを続ける仕組みは、note の別の記事にも書いています。
よくある質問
- 振り返りに時間をかけられない日はどうしますか
- 「流れが変わった一言」と「次に言い直す一文」の2欄だけ書きます。1分で済みます。何も書かない日が続くより、2欄だけの日があるほうが続きます。
- 商談の数が多くて、全部は振り返れません
- 全部やる必要はありません。1日1件、いちばん気になった商談だけで十分です。受注・失注に関係なく、「よくわからなかった商談」を選ぶと得るものが多いです。
- 録音していない商談でも振り返れますか
- できます。商談が終わったらすぐ、覚えている言葉をそのまま書き出します。時間がたつほど、自分の言葉は「言ったつもり」の言葉に置き換わっていくので、早いほど正確です。録音をする場合は、お客様への伝え方を社内のルールで決めてからにしてください。
- チームで振り返りを共有するとき、気をつけることは
- 失敗した商談をみんなの前で取り上げると、振り返りそのものが嫌われます。共有するのは、本人が選んだ商談と、うまくいった一言から始めるのがおすすめです。





